おはようございます。オガサワラです。
『夜は短し歩けよ乙女』といえば森見登美彦さんの大ヒット作品です。
森見登美彦さんの作品は、僕はこの『夜は短し歩けよ乙女』をしか読んだことがないのですが、『夜は短し歩けよ乙女』だけでも彼の独特の文体と世界観に引き込まれるものを感じました。引き込まれたのち他の本も読んでみようと思って数年読みたい本リストに彼の作品が並んでいるという状態です。
ともあれ、今回は既読の『夜は短し歩けよ乙女』について大いに語りたいと記事を作成いたしました。
くだらないが…、こいつ至って真剣だ!
『夜は短し歩けよ乙女』には【ナカメ作戦】というワードが登場します。これは主人公が心を寄せる通称《黒髪の乙女》への想いを成就させるためのもので。
「なるべく彼女の目にとまる」、略して【ナカメ作戦】なのです。
どうです? くだらないでしょう? しかし主人公は至って真剣であり、その切実で、見方を変えればただのストーカーじゃないか! とも思える執念がとてもコミカルに描かれているんです。
このこじらせた主人公にはかなり好感を持てます。得てして男とはバカな友達の話を聞いたりネタにするのは好きなものです。
天然…ッ…なのか?
僕は、この『夜は短し歩けよ乙女』に描かれている《黒髪の乙女》こそ最強の天然であると確信しています。いえ…、最強というより最終兵器天然です。
『夜は短し歩けよ乙女』は、主人公の視点と、黒髪の乙女の視点を移動しながら進んでいく形式の小説です。
これが主人公である男の視点だけしか描かれていない場合、天然は途端にあざとくなるでしょうけれど…、黒髪の乙女の視点でも描かれているものだから、こいつはリアルな天然だということがありありと伝わってきてしまうのです。
真の天然美女の殺傷能力の高さは…、まさに最終兵器と言わずになんと呼べるでしょうか。
漂う大正浪漫
森見登美彦さんの文体、中村佑介さんの描く表紙、小説中に登場する小道具に至るまで…、大正浪漫が漂っています。
僕は、この作品で電気ブランというお酒があることをはじめて知って、どこで飲めるんだろうか…、なんて探した時期があります。今でこそ電気ブランを置いてるお店ってけっこう増えましたけど、この『夜は短し歩けよ乙女』が発売された当時は電気ブランを置いている店が今ほどなかったんです。懐かしい。
明治、大正、昭和とレトロな雰囲気が好きな人には、ぜひとも読んで貰いたい作品です。
まとめ
さて、アニメ映画化も決まったことだし『夜は短し歩けよ乙女』を再読して読みたい本リストの森見登美彦さんの本でも消化していこうかな、なんて考えています。まず『夜は短し歩けよ乙女』から、みなさんも一緒にどうでしょう?
最後まで読んで頂きありがとうございました。