どうもオガサワラです。
「カナリアたちの舟」というマンガをご存じでしょうか?
ある日、ごく普通の日常が、唐突に壊れてなくなる、という王道的な展開のSFマンガです。
高校生の宇高ユリは、ある日の帰り道、空を覆い尽くすほどの巨大な飛行体と遭遇する。破壊される街、次々に殺されていく人間──気を失ったユリが意識を取り戻したのは、日常とかけ離れた異世界だった。そこで唯一出会った人間は、北沢千宙という男性。他に人間はいないのか、あれから友だちや家族はどうなったのか──帰りたい場所はまだ残っているのか。ふたりぼっちのサヴァイヴァルが始まる!
描かれる日常
非日常を描く際、どれだけ日常を細かく描写できているのかが重要になる。「BSマンガ夜話」の新井英樹さんのマンガ「ザ・ワールド・イズ・マイン」回でそのようなことを言われていました。新井英樹さんの描く日常はとても細かく人がソコで生活をしているという、まさに生活感に溢れている。そこで大量虐殺が起こるわけですからみている方がぐっと引き込まれます。ざっくりこんな内容だったと思うのですが、「BSマンガ夜話」をみて、確かにー、なるほどー、と「ザ・ワールド・イズ・マイン」を読み返したくなりました。
で、何故こんな話をしたのかというと、この「カナリアたちの舟」の作者、高松美咲さんの描く日常をもっとたくさんみたいと思ったからです。ごく単純に、この作品のもつ登場人物の熱量が好です。
と、こんなこと思っちゃうようなアレな感じがたまらなく良い。
描かれる非日常
こんな風にごく普通の日常が突如として崩壊します。
そうなんです。第1話で崩壊してしまうんです。ごく個人的な意見ですが、やはりもう少し日常を描いてからことが起こって欲しかったなあ、と思ったり。
とはいえ、この世界観である…。
いや、圧巻。こういうのは大好きです。
非日常の中で描かれる日常
恋愛要素も少しだけあったり。台詞まわしが本当に良い。ネタバレはしたくないので本書からの引用は避けますが、人間というのはひたすら"まわりくどい"生き物だという下りが好きです。ただ登場人物が二人しかいないのであまり広がりがなく、その点も、高松美咲さんの描く日常をもっとたくさんみたいと思った要因です。
ひとこと
終始もっとみたいもっと読みたいという意見ばかりになってしまいましたが…、はい、やっぱり1巻は短いです。少し登場人物を増やして、せめて5巻くらいのボリュームを読みたかった。こう思うのもこの作品が魅力的だからこそです。オススメなんで、気になる方はぜひとも読んでみてください。

- 作者: 高松美咲
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2016/01/22
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あと、高松美咲さんの他のマンガはどうだろうと思い調べてみると今のところ「アメコヒメ」という作品があります。これもかなり面白そうなのですが、なんとBL系のレーベルから出版されているようで…、ガッツリBLというわけでもないそうなのですが、流石にアレな感じが否めないので機会があれば読んでみように留めておきます。

アメコヒメ (POE BACKS/Beコミックス) (ポーバックス Be comics)
- 作者: 高松美咲
- 出版社/メーカー: ふゅーじょんぷろだくと
- 発売日: 2013/12/24
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