こんばんは。オガサワラです。
科学技術の発展によってもたらされるオープンで健全な世界はユートピアなのだろうか、個人活動がビックデータとして収集され、どこで何をしたかまで事細かにログとして残る超監視社会は、利便性と引き換えにプライバシーを差し出し、人間性が抑圧され続けるだけのディストピアなのではないだろうか。
なんて思ったことないでしょうか?
テクノロジーをこのまま野放しにしておくのは不味いと思ったのかどうかは分かりませんが、2018/5/25 欧州でGDPR(EU一般データ保護規則)というものが施行されました。
これは欧州に住んでいる人間の個人データを保護を強化し統合するためのもので、掻い摘んでいうと企業が勝手に欧州人の個人情報を収集した場合は制裁金を課すよ~というものです。
ちなみに個人データに該当するのは、
欧州委員会によれば、"個人データとは、個人の私生活であれ、職業であれ、あるいは公的生活であれ、個人に関係するあらゆる情報のことである。氏名、自宅住所、写真、電子メールアドレス、銀行口座の詳細情報、ソーシャル・ネットワーク・ウェブサイトへの書き込み、医療情報、または、コンピュータのIPアドレスまで、あらゆるものを含む。
引用:Wikipedia
とのこと。
最もダメージを受けるのはテック企業だというのは明確なんですが、これによりただちに欧州でGoogleが使用できなくなるとかFaceBookが使えなくなるとかAmazonで買い物ができなくなるなんてことはありません。が、先に挙げた世界的なテック企業は必然的に自社サービスを見直さなくてはならなくなります。
では、その結果、欧州に住まう人々、引いてはそれに続き世界中の人間が、GDPRが掲げているように個人データをコントロールする権利を取り戻すことができるのでしょうか。
権利は取り戻すことができるでしょうが、これまで使用してきたWebサービスを利用しようと思い立ってから実際に利用するまでの工数が増えるだけだったってなる可能性もぜんぜんあると思うんです。
というのも先ず我々ユーザーのデータ取り扱いに対するリテラシーが高い状態でなくてはGDPRが施行されたところで押し寄せる利用許諾をろくに読みもせずにひたすら同意し続けるだけになるだけでしょう。
欧州人はデータリテラシーが高いのかも知れませんが、日本で生活をしていて欧州委員会の個人データと定めるようなトラッキングについてしっかり理解している日本人がどれだけいるだろうかと感じます。
まあそういう意味では考えるキッカケにはなるんでしょうけれど。
実際、僕もハッとさせられました。GoogleやFacebook怖ッ!!て。
僕はFacebookはやっていませんが毎日Googleは使っています。ということはGoogleが一定の基準で評価判別した情報を取得しているわけです。それにより知らない間に何らかの操作をされている可能性だってあるわけですから。
とはいえ、既にインフラレベルなので明日からググらないなんて気には到底なれませんが…。
はてさて…、GDPRの先に待つ世界はいったいどんな世界なのでしょう。
ここからは当ブログらしくSFアニメでも引き合いに出しつつ締めたいと思います。
フラクタクルみたいな
このままテクノロジーが進化を続けるとアニメ『フラクタクル』に登場するフラクタルシステムのようにライフログサーバに送信することで基礎所得を受け取ることができるような世の中になるのかも知れない(管理者不在でロストテクノロジーみたいになってたけど)
はたまた楽園追放のような
GDPR施行後もこれまでと変わることなく個人データを差し出し続けるのなら、人はその内にアニメ『楽園追放』に登場する電脳世界「ディーヴァ」のようなものを作りあげ仮想世界にマインドアップロードしより強固な監視体制を築くかも知れない(電脳世界で暮らす人と生身で暮らす人の格差が凄いけど)
いや、ハーモニー的な感じかも
映画『ハーモニー』でいうところの統治機構「生府」のようなものが誕生しWatchMeのような監視システムが作られ人々は公共のリソースとして管理される世の中になるのだろうか(あと百合人口が増える)
まとめ
例にあげたアニメ全部ディストピアやないかーい!! てな感じですが、ユートピアかディストピアかなんて捉えようひとつなので、それこそ映画『マッドマックス 怒りのデス・ロード』みたいな未来でもない限り個人的にはなんでもいいです。映画『マトリックス』の設定くらいまでの感じならギリユートピアとして認識しようと思えばできそうな気がしないでもないです。
というわけで今回はGDPRの先に待つ世界について考えてみました。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
