
おはようございます。オガサワラです。
映画『エクス・マキナ』を視聴したので、ネタバレ有りの感想記事を書きます。
まだ視聴していないという方はご注意ください。
あらすじと概要

ある日、検索エンジンで有名な世界最大のインターネット会社“ブルーブック”のエンジニア、ケイレブは普段は滅多に姿を現さない社長のネイサンが所有する山間の別荘に1週間滞在するチャンスを得ることになります。
まあ、それはもちろん、ただのバカンスというわけではなく、ケイレブがネイサンのもとに呼び出された理由は、ネイサンが開発した人工知能(Artificial IntelligenceいわゆるAI)のチューリングテストのためだったわけです。
チューリングテストというのは、ある機械が知性を有しているか否かを判定するためのテストのことを指します。
基本的にチューリングテストは、今対話している存在が人間であるか機械であるかを明かさずに行うものです。こうすることで、機械であるのか人間であるのか区別がつかないほどの知性を備えていることがテストできるからです。
ただし、ネイサンが開発したAIは、既に対話だけでは人間なのか機械なのかを判別することができない段階まできています。
今回ケイレブが行うチューリングテストは、そこから更に1歩進んでおり、ネイサンが開発したAI、エヴァ(AVA)が人間と同じく意識を持った知性であるのかどうかを確かめるための実験です。
さて、そもそも人間に対しても意識の有無を証明するのは現代科学で手に余るものなのですが…、そのあたりのことは、置いておきましょう。
とまあ、物語の大筋としては、こんな感じなのですが、
この映画、怖い。
先ず、どこからどこまでが計算の上なのか、そしてどこからどこまでが想定外の出来事なのか、と、ハラハラさせられます。
そして、ラストは必然だったのが偶然だったのか…、と考えるほど、得体の知れないものに対する恐怖を搔き立てられ、SFなのかと思いきや、サスペンスな作りをしています。
サスペンスな魅力に溢れる展開

何か大きいことが起きるでもなく淡々と物語は進んでいくのですが、物語の主観を委ねられているケイレブ以外は、どいつもこいつも胡散臭い。
まあ、登場人物自体、“ブルーブック”のCEO、ネイサンと人工知能であるエヴァ(AVA)、そして、別荘に住み込みで働いているキョウコだけなのですが。
このネイサン、エヴァ(AVA)、キョウコ、例外なく何かありそうな感じをプンプン漂わせています。
視聴者としては誰が本当のことを言っているんだ、何か仕掛けがあるに違いない、と勘繰りながら視聴を続けるわけですが…。
どんどん疑心暗鬼がエスカレートし、主人公であるケイレブすら怪しくみえてくるわけです。
でも、ああコントロールされてんな、と感じたのは主人公自身も自分の存在を疑ったりしちゃうわけです。どうせこんなオチなんじゃない?なんて考えていると、そこに釘を刺されるという。
そして、『エクス・マキナ』の由来でもあると思われる「デウス・エクス・マキナ」いわゆるどんでん返しにまんまとやられました。
このサスペンス魅力に溢れる展開は、かなりツボ。
ラストについて(視聴後にどうぞ)

前述した「デウス・エクス・マキナ」が、この作品の由来だとは思うのですが、敢えてデウスを抜いているところ。
気になりますよね。
「デウス・エクス・マキナ」は、「機械仕掛けの神」と日本語では訳されるのですが、この映画は『エクス・マキナ』なので、無理くり邦題をつけると「機械仕掛けの」でしょうか。
順当な流れで考えるならエヴァ(AVA)は意識AIを搭載し、人間を模しているのですからヒューマノイド、つまり「機械仕掛けの人」なのですが…、

この最後のシーン、最高にかっこいい。
『未知との遭遇』のオマージュなのでしょうけれど、人類からすると既に未知の領域に達しているエヴァ(AVA)が人間社会に紛れ込んでいる様子がとても恐ろしく感じる画です。
こと、このシーンを観てタイトルの意味『エクス・マキナ』を理解しました。
「機械仕掛け」の何か…、得体の知れないものが人間社会に紛れ込んでいる。
これから世界はどうなっちゃうんだ…、なんて不安を掻き立てられます。
ラストは完全にやられました。
まとめ
というわけで今回は映画『エクス・マキナ』の感想記事でした。
同じくAIを取り扱った最近の映画といえば『her』も面白かったですが、『エクス・マキナ』は『her』とはまた違ったアプローチで面白かったです。
両作品をじっくりと見比べてみるのも面白いかも。
ちなみに『her』の感想記事はこちら。
少しでも興味が湧いた方はぜひぜひ視聴してみてくださいな。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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※画像出典:エクス・マキナ