どうもどうも。
オガサワラです。
三浦弘行九段のソフト指し疑惑が各所で言及されているようなので、御多分に漏れずに、僕も話題として取り上げてみます。
三浦弘行九段が、本当にソフト指しを行ったのかどうかは、まあ置いておきましょう。
おい、それが核心じゃないのかよという感じですが…、この件に関して、僕は検証の手段を持たないし、何よりあまり興味がありません。
僕が、この一件で感じたのは、人間が将棋でAIに勝てる時代が終わろうとしているということです。
「二人零和有限確定完全情報ゲーム」という言葉をみなさんは聞いたことがありますか?
二人 | プレイヤーは2人 |
零話 | プレイヤーの零話が常に零となる |
有限 | 可能な手の組み合わせの総数が有限 |
確定 | 運や偶然の要素が介入しない |
完全情報ゲーム | お互いのこれまでの行動をすべて把握できる |
これらの特徴のあるゲームを「二人零和有限確定完全情報ゲーム」と呼ぶのですが、将棋が正にそうで「二人零和有限確定完全情報ゲーム」です。
この「二人零和有限確定完全情報ゲーム」には、ある特性があります。
それは、先手必勝が後手必勝が必ず存在するということです。
つまり将棋って、お互いに常に最善手を打ち続けることがもしも可能であるのなら先手か後手どちらかに決まった時点で、実は、既に勝負はついているわけですね。
でも、それではゲームとして成立しないし、何より今のところはAIに人が勝つこともできますよね?
それはなぜかというと、将棋の最善手というのは、AIでも計算しきれる量の計算ではないからです。
必勝法が未だにみつかっていないんです。
で、今回の一件に戻るのですが…。
プロの将棋指しがソフトの判断を信頼したのかもしれないという事件は、将棋で人間がAIに勝てる時代が終わろうとしているんだな~と、なんだかしみじみと寂しい気持ちになりました。
今後AI産業で何かしらの技術革新が起こらない限り、恐らく20年30年は将棋の必勝法がみつかることはないでしょう。
でも、人間がAIに将棋で勝てなくなった時点で、きっと将棋がゲームとして成立し辛くなりますよね。
暗算ゲームでAIに挑んだところで絶対に叶わないのは分かっているから何も面白くはないですし、AIの方がどうあがいても優れているということになれば、これは僕個人的な見解ですが、ゲームとしてはあんまり面白くはないよな、と思っちゃうわけです。
でも、世の中にはAIに勝てない前提で成立しているゲームなんてごまんとありますし、人対人だからこその面白味もあるにはあると思うんですが、ロマンの問題ですね。